都内進学塾を20年経営してきて起こった様々な人間模様
                 
                 クロピーの「言ってる意味わかります?!」
クロピーこと、私黒沢正樹が日々思う色々なことをここでは好き勝手に語ってみよう!というコーナーです。詩人モードに突入すると、次から次へと言葉が溢れてくるのです。その言葉を忘れないように書き留めておきたい!というクロピーの想いを聞いてやって下さい!

  


  
★Vol.25 「
赤点課題(問題全て30回書き写す)と数学クラス順位5番!

「先生、数学がクラスで5番だった!」

昨日、あのMくんが
「先生、数学がクラスで5番だった!」と言いながら塾に入ってきました。

「え・・・?!」
このリアクションは、教師としては本当に申し訳ないんですが
とにかく、驚きと信じられないという喜びが複雑に交錯していました。

このMくんは、僕の塾に来て6年目になりますが、中学3年間はすべて最下位
通知表もほとんどが「1」
何回やっても、アルファベットの「b」と「d」の区別がつかない、漢字も
書けない、読めない・・・
挙句の果てには、いじめられたり・・・
詳しくは、言ってる意味分かります?!VOL23「おいしいパン屋さんになるために」


そんなMくんも、今年4月から高校1年生

中学3年生の成績(ほとんどの科目は、評価1)から考えても、合格できる高校など 皆無でした。
また医学的にも学習障害(特に記憶に関する部分)という結果もあり、
本当に普通高校に行く事が彼の幸せなのか?!
ずっと自問を繰り返しながら、一緒に勉強を続けています。
ご両親の強い希望と、パン屋さんになりたという彼の希望を最後まで尊重したいという思いは今でも変わっていません。(専門学校のほとんどが、高校卒業の資格が必要という現実)

1学期の期末テストは、ほとんどが赤点でした。
レポートなどの課題が山のように出されました。
「化学」の課題は、問題全てを30回書き写す事でした。
それを聞いたとき、こんな課題は「いじめ」だと思いながら、目の前で、新しいノートに
問題を1つ1つ書き写しているMくんを見ながら
「今、何回目なの・・・?」

「3回目に入りました。」

「1回すべて写すのに、どれくらい時間かかった?」と聞くと
「5時間ぐらいです」と答えが返ってきました。
漢字を読めない彼にとっては、すべてが記号になってしまい、それを写しきるには
普通の生徒の何倍も時間がかかるのだろうと思いました。

夏休みの間、時間があると塾に来て、「宿題やってもいいですか?」と言いながら
教室の片隅で、ひたすら問題を書き写していました。


何のために高校に行ったのか?

もちろん、彼を受け入れてくれる高校は、自宅から1時間以上かかる埼玉の高校しか
なかったという現実も忘れられない事実ですが。
それでも、合格のときは、涙を流して喜んで、親戚中に電話をして・・・
その高校生活が、テストはほとんど赤点、そして課題は30回写すこと・・

しかし、しかしです!

そのMくんが、2学期の中間テストの数学は「クラスで5番」なのです。
彼は、56点でした。
まわりのほとんどが15点ぐらいだったようです。

この事を僕に知らせようと、制服のまま、重いかばんを抱えながら、息を切らして塾に来ました。


「先生、数学がクラスで5番だったよ!!」


え?!本当か・・・?」
この言葉を言ったあと、周りにいた生徒とそのMくんに
「先生がこんな事言ってはいけないね。Mくんごめんね。先生も、うれしいよ!」
「みんな、Mくんが数学で5番だったんだ。一緒に喜んであげよう!」

周りにいた高校生も、Mくんの中学での成績の事を知っているので
「本当?!すごーい!頑張ったね!」と喜んでくれました。

こういう事を生徒達と一緒に喜んであげられるような場
それが塾でも、学校でも、家庭でも・・・
これからの時代に、本当に大切なのではと思いました。

 

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