都内進学塾を20年経営してきて起こった様々な人間模様
                 
                 クロピーの「言ってる意味わかります?!」
クロピーこと、私黒沢正樹が日々思う色々なことをここでは好き勝手に語ってみよう!というコーナーです。詩人モードに突入すると、次から次へと言葉が溢れてくるのです。その言葉を忘れないように書き留めておきたい!というクロピーの想いを聞いてやって下さい!

  


  
★Vol.24「私なんかどうなってもいい〜留年しないで2年になれたよ!」


「私なんかどうなってもいい」

この高校1年の女子生徒は、昨年の夏の終わりに、近くのレストランで
偶然に会った事がきっかけで、塾に週1日数学の授業を受けに来るように
なりました。

それは・・・・・
昨年9月に入ったある日、仕事が終わって、なんだか無性にパスタが食べたくなって、
近くのレストランに妻と一緒に行った日でした。今年の4月に、とある都立高校に入った
卒業生の女の子がアルバイトをしていました。
高校になって、ずっと塾に顔を見せてなかったので
「学校は、どうだ?」と僕が聞くと
「期末テストで数学は0点だし、つまらないしやめようと思ってます・・・」

驚いて、注文もしないで、話を聞いてみると
全然分からないし、ついていけないからというのが理由でした。
塾長に相談したかったんだけど・・・

「あなたは、その子に呼ばれたんだね」

来週塾に来るという約束をしました。
なんと、僕達がそのレストランに行ったのが9時50分
その子は高校生なので、アルバイトは10時までだったようです。
あと10分遅かったら、すれ違っていたかもしれません。
そう思うと、やっぱり何かそういうものに引き込まれたのかもしれません。

翌週、その子は来ました。
学校にも全然行ってない、それどころか、家にも帰らない日があるとのこと。
授業中は、携帯電話で他の高校の男子と話をしていて・・・
これが、今の教育現場の現状なのかもしれないと痛感しました。

教科書、ノートはなく、今何を授業でやっているか、試験はいつか?とにかく、何も知らないようです。
まずは、学校でそれを調べて、教科書を持ってから塾に来なさいという事で、その日は、雑談して帰しました。
高校1年の2学期、数学は2次関数のようでした。 グラフどころか、座標のXとYの区別も分からない
つい半年まで、高校受験の勉強をしていた頃は、こんな状態ではなかったのに、どうして、ここまでになってしまうのか?!
ある意味愕然としました。
因数分解、2次方程式から復習を始めました。
あとは試験1週間前にかけるつもりで・・・。

ところが、その1週間前の日、寝てしまったという理由で連絡なしで欠席。
もうこの子は、だめかな?と思いながらも、最後まで諦めきれずにいると、直前の火曜に、幽霊のように現れたのです。
グラフ、平方完成など・・・
ちょっと教えると、中学までの貯金があるのか、どんどん問題が解けるようになりました。

「これで、0点じゃないよね?」

「大丈夫!この問題まで出来ればたいしたもんだよ!」
こんな会話を僕としていました。

ふと、僕が違う教室の生徒をみていると
国語を教えて先生とその生徒が話をしているようでした。

そして、そのときその女子高生が

「私なんか、どうなってもいいよ・・・」
「本当、自分でどうしてこんなにだめになったのか
  分からない・・・。」

「もっと自分を大切にしなさい!」その先生が言ってました。
そして、その生徒が帰った後
驚愕の真実を、僕は妻から聞かされました?!

「・・・・・・!」

しかし、この事実は16歳で受け止めるには、あまりにもひどいものです。
その日から、彼女は学校に行かなくなり、そして自分はどうなってもいと思うようになったそうです。
そして、この事実は、親も学校の先生も、誰も知らないとの事。

僕は、今の子供達は、心を理解してくれる
心を大事にしてくれる、そして叱ってくれる
昔の学校のような居場所を探しているんだと思いました。

しかし、周りを見渡すと、子供を思う先生が減り
自分達の都合を優先する大人(親であり、教師であり)ばっかりになり、夢をもてなくなり、
現実に失望してしまい 何もかも気力を失ってしまってるように思います。

そして、3学期の期末テストが終わり、高校1年の成績が出ました。
昨日、英語が赤点で単位を落としたとのことで、数学が赤点だと、留年が決まってしまう
という電話があり、担任はなんと転校を勧めているようでした。

ところが、今日数学のテストの結果が分かり
本人から叫ぶような歓喜の声の電話がありました。

「留年しないで2年になれたよ!!」

「高校に合格したときより、うれしいよ!」
「真面目にがんばるから、2年生になっても塾で勉強教えてくれますか?!」

「もちろん。一緒に頑張ろう」と僕は答えました。
あのレストランで10分のすれ違いがあったら、この子は、学校を辞めていたと思います。

子供達の居場所を、もう一度大人達が真剣に考える
そして、作っていかなければ、この国の教育は、未来は ないのではないでしょうか?
改めて、こういう場所を作る義務と覚悟を再認識する 出来事になりました。


 

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